「実家の空き家をそのまま放置しているけど、どうすればいいかわからない」「税金や管理費がかかるのに、使う予定もない」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
利用予定のない空き家は早めに手放すことで、税金や維持費の負担が軽減されるメリットがあります。
しかし、空き家を放置していると固定資産税の負担や倒壊・近隣への損害リスクが増加するため、注意が必要です。
本記事では空き家を放置するリスクや手放すための具体的な方法、手順、注意点を解説します。
記事を読むことで手放し方が理解でき、スムーズに処分できる知識が得られます。
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空き家を放置しないほうが良い理由
空き家をそのままにしておくと、想像以上のコストやリスクが発生します。放置期間が長くなるほど負担が増すため、所有しているだけでも損するケースが少なくありません。
空き家は放置せず、できるだけ早い段階で処分・活用を検討することが重要です。
ここでは、空き家を放置しないほうが良い理由を5つ解説します。
維持費や税金がかかり続ける
空き家を所有している限り、毎年固定資産税や都市計画税、火災保険料がかかります。また、税金だけでなく、光熱費の基本料金や庭木の剪定といった維持コストも積み重なります。
利用予定がない物件を長期間所有していると、ただ税金や維持費を払い続けているだけの赤字資産になりかねません。
たとえば、固定資産税と都市計画税で年間10万円前後だとすると、火災保険料や管理費を合わせると年間15万円以上の支払いが発生することもあります。
今後住む予定がない場合は家計の負担にもなるため、早めに売却や活用を検討することで、無駄な支出を抑えられます。
参考記事:空き家売却時に発生する税金まとめ|基礎知識や負担軽減する方法を解説
特定空き家に指定されると固定資産税が6倍になる
空き家を長期間放置すると行政から「特定空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。
特定空き家とは倒壊や衛生面の危険、景観の悪化を放置している状態の建物を指します。管理を怠った結果として、罰則的に税優遇が外される措置です。
自治体は現地調査を行い、「建物の状態に問題がある」と判断するとまず所有者に対して改善の指示を出します。指示に従わないと命令が発令され、最終的に特定空き家に指定されます。
その結果、毎年の固定資産税の支払いが8万円だった物件を例にすると、翌年度から48万円に増えるということです。
さらに命令にも従わなければ、自治体が建物を強制的に解体する「行政代執行」が行われます。
解体費用は所有者が全額負担する必要があるため、適切な管理が不可欠です。
参考記事:空き家の固定資産税はいくら?損しないための対策や減免申請についても解説!
建物の老朽化による倒壊や近隣被害のリスクが高まる
空き家を放置すると建物は想像以上のスピードで劣化し、倒壊・部材の落下で近隣に被害を与えるリスクが高まります。最悪の場合は、所有者が損害賠償責任を問われることもあります。
老朽化は、見た目の古さだけでは判断できません。特に雨漏りやシロアリ被害は内部から構造を弱らせ、外見が無事でも見えない部分で崩壊が進行することがあります。
たとえば、屋根材がはがれて道路に落下したり、外壁がはがれて隣家の車を傷つけてしまったりすることも少なくありません。
倒壊や近隣トラブルは多くの場合、定期的な点検と簡単な修繕を行うだけでも未然に防げます。
倒壊の危険性があると、自治体から「危険建物」として指導や行政代執行を受ける可能性もあるため、事前の対策が重要です。
参考記事:空き家売却の注意点を徹底解説!費用や放置で失敗しないための回避方法
資産価値が年々下がり売却が難しくなる
空き家を長く放置すると建物の傷みが進むだけでなく、市場での評価額が急激に下がり、買い手がつきにくくなります。
結果的に売りたいと思ったときには売却が難しくなることも珍しくありません。
不動産の査定額は「建物の状態」と「市場の需要」で決まります。修繕コストがかかる物件は買主が敬遠し、価格が大幅に下がる傾向にあります。
空き家の価値は時間とともに下がるのが現実です。早めに売却や活用を検討すれば、高値で売れる可能性を残せます。
「そのうち売ろう」ではなく、「まだ売れるうちに動く」ことが最も資産を守る選択です。
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防犯上のリスクが高まる
空き家を放置すると不法侵入や放火、不法投棄といった犯罪のターゲットになりやすい傾向があります。トラブルが発生した場合は、所有者が損害賠償を負うリスクもあります。
特に住宅街の奥まった場所では監視の目が届きにくいため、放火や不法侵入が発生するケースが少なくありません。
人の出入りがなく、夜間に明かりがつかない家は無人だとすぐに分かります。また、郵便物が溜まっていることや草木が伸びているといった特徴は、空き家であることを知らせるサインです。
人の気配を感じさせるだけで、空き家の安全性は大きく高まります。地域の治安悪化や思わぬ賠償リスクにつなげないためにも、簡単な管理や工夫が大切です。
空き家を手放したいときの選択肢
空き家を維持することが負担に感じていても、「どう手放せばいいか分からない」と悩む方は少なくありません。
空き家を手放す方法は複数あり、自分の目的に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な5つの方法を紹介します。
①不動産業者を通じて売却
不動産業者を通じて売却する方法は、市場価格に近い金額で売れる可能性が高く、資産価値を最大限に活かせる手段です。
不動産会社が売却活動を売主に代わって行うため、スムーズに取引を進められます。
一方で、買い手が見つかるまでに数ヶ月かかることが多く、その間も固定資産税や管理費のコストが発生するため注意が必要です。
広く市場に情報を出し、希望条件に合う買主とマッチしやすい方法のため、時間をかけてもできるだけ高く売りたい方に適しています。
参考記事:空き家の5つの売却方法とは?税金の基本と控除や補助金の活用術を詳しく解説!
②不動産会社による直接買取
直接買取は不動産会社が買主となって、自社で物件を買い取る方法です。仲介よりも価格は下がるものの、手間と時間を大幅に削減でき、最短で数日〜数週間で取引を完了できます。
老朽化物件や遠方の空き家でも引き取り対象となるケースが多く、処分の難易度が低い点も特徴です。
たとえば、築30年を超える物件を直接買取に出した場合、価格は相場より1〜2割ほど低くなることがあります。
しかし、内見対応や修繕が不要なうえ、建物解体込みのプランを選べば、コストを抑えながら処分することも可能です。
高く売ることよりも早く確実に売ることを重視する方は、直接買取が適しています。
③賃貸や宿泊施設として活用
賃貸住宅や宿泊施設への転用は、空き家を手放さずに収益を得る資産に変えられる方法です。
需要のあるエリアなら、毎月の家賃収入や宿泊料で維持費を上回る収益を見込める場合があります。
近年は民泊や古民家リノベーションは、地方や観光地を中心に空き家活用のニーズが高まっています。
ただし、空き家の状態が悪い場合や立地条件によっては、リフォーム費用が回収できないリスクもあるため、事前の収支計画が欠かせません。
空き家を手放す代わりに活かす方法は、思い入れのある家を処分するのに抵抗がある方におすすめです。
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④相続を放棄して国庫に帰属
空き家を相続する際、維持や管理が難しいと判断した場合に「相続放棄」や「相続土地国庫帰属制度」を利用することで、管理や税負担から解放される方法があります。
適用条件を満たせば、維持費やトラブルの心配を手放せる現実的な選択肢です。
相続放棄とは相続が発生した3ヶ月以内に、遺産と負債のどちらも受け取らないと家庭裁判所に申し出る制度のことをいいます。
相続土地国庫帰属制度とは、相続によって取得した土地をあとから国に引き渡して手放せる制度です。
両制度は空き家の維持が難しい方にとって、負担を軽減する有効な手段です。ただし、条件や手続きが複雑なため、司法書士や弁護士の専門家へ相談しましょう。
⑤個人や自治体・NPOに無償で寄付
空き家がなかなか売れない場合は、個人や自治体、NPOへ無償で寄付する方法もあります。
自治体やNPOへの寄付は、空き家を地域活性化や福祉施設、移住支援の拠点として活用を目的にした制度です。
子育て世帯への住まい提供や、地域ボランティア拠点への転用など、社会的価値の高い活用が期待されています。
個人間でも、古民家を引き継ぎたい方とマッチングする寄付サービスがあり、使い道を見つけやすくなっています。
ただし、老朽化が進みすぎた建物や境界があいまいな土地は対象外になることもあるため、事前の現地確認や書類審査が不可欠です。
無償での寄付は売却や買取が難しい空き家を持っていて、維持費の負担をこれ以上続けたくない方に適しています。
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空き家を手放すまでの手順
空き家を処分したいと思っても、何から始めたらいいか分からないという方は多いのではないでしょうか。
手続きの順序を間違えると余計な時間や費用がかかってしまうため、現状の把握から引き渡しまでを段階的に進めることが重要です。
ここからは空き家を手放す際に押さえておくべき5つのステップを順に解説します。
①物件状況の確認と情報収集
空き家を手放す前にまず行うべきことは物件の現状を正確に把握し、状況を整理することです。
建物の劣化状況や敷地の境界、設備の有無を事前に確認しておくと、査定額や修繕費用の見積もりが正確に出せるため、後からのトラブル防止につながります。
また、近隣の売却事例や固定資産税評価額の情報の調査によって、不動産会社との相談時に現実的な価格感を持って話せます。
状況を明確にしておくことで、売却・買取・寄付のいずれを選ぶ場合でも判断がスムーズになるため、大切なステップです。
②名義変更や相続登記の法的整理
空き家を手放す前は、所有者を明確にすることが必須です。相続登記や名義変更が済んでいないと、売却・寄付・解体のあらゆる手続きが進められません。
特に、相続で不動産を取得した場合に行う相続登記は、2024年4月に義務化されました。相続した空き家を登記せずに放置していると、罰金を課される可能性があります。
早い段階で、登記内容を確認し、必要に応じて司法書士に依頼して権利関係を整理しておきましょう。
名義の整理は空き家を手放す際の手続きをスムーズにするため、欠かせない準備の1つです。
③専門家・不動産会社への相談
空き家の状態や立地によって最適な手放し方は異なるため、複数の専門家に相談して客観的な意見を得ることが大切です。
不動産の価値は建物の老朽化や立地、市場の需要といった多くの要素で決まります。
そのため、1つの業者の判断だけでは、売却・買取・活用のどれが最も有利かを正確に判断できません。
司法書士や不動産会社、空き家バンクといったそれぞれの見解を聞くことで、リスクを避けながら最も現実的な方法を選択できます。
1社に任せきりにせず、専門家や行政、不動産会社を組み合わせて相談することが後悔のない手放し方につながります。
④複数業者の見積もり比較
空き家を手放す際は、必ず複数の業者に見積もりを依頼して比較検討することが欠かせません。
1社だけで決めてしまうと、相場より低く売ってしまったり、余計な費用を払ってしまったりとリスクがあります。
不動産会社や買取業者ごとに、査定基準や販売戦略、得意なエリアが異なります。同じ物件では低評価とされる一方で、別の会社では活用できると判断して高評価になることも少なくありません。
最低でも3社以上に見積もりを取り、金額と条件・対応力の3点で総合的に判断しましょう。
⑤契約と引き渡しの準備
空き家の売却や譲渡を円滑に進めるためには、契約前後の書類・残置物・鍵の準備を丁寧に行うことが大切です。
対応を怠ると、引き渡し時のトラブルや支払い遅延の原因になりかねません。
たとえば、売買契約後に境界や雨漏りの問題が見つかると、引き渡しが遅れるだけでなく、補修費を負担しなければならないケースもあります。
契約前は境界確認書や引渡確認書を作成し、双方の合意を文書化しておくことが重要です。
その他、登記簿謄本や固定資産税の納税証明書、本人確認書類が必要になるため、事前に揃えておきましょう。
空き家を手放す際のチェックポイント
空き家を手放す際は、物件の特性やコストなど判断に迷う場面があるでしょう。
事前に条件を整理しておくことで後悔のない選択ができ、費用面でも効率的に手放せます。
ここからは、空き家を手放す際のチェックポイントを3つ解説します。
築年数や立地条件から決める
空き家の築年数や立地条件をもとに、売却・買取・解体のどれが最も現実的かを見極めることが大切です。
築年数が古くなるほど建物の価値は下がり、修繕費も増加します。
一方で、駅近や人気エリアにある土地は、古家付きでも土地の価値が高いため、仲介売却で高値を狙える可能性があります。
需要が少ない地域では、老朽化した建物を残しても買い手がつきにくく、買取や解体後の土地売却を検討したほうが現実的です。
築年数や立地条件の状況に応じた判断が必要なため、選択肢に迷う場合は専門家へ相談しましょう。
売却や譲渡の際のコストを比較する
空き家を手放す方法を決めるときは、それぞれにかかるコストを具体的に比較してから選ぶことが重要です。
手数料や解体費用を見落とすと、想定以上の出費で赤字になる可能性があります。
仲介売却の場合、仲介手数料が発生し、寄付や国庫帰属制度を利用する場合も、名義変更や申請にかかる費用が数万円〜数十万円必要です。
買取では仲介手数料が不要な代わりに、価格が相場より1〜2割下がる傾向があります。
さらにどの方法でも共通して、残置物の処分費用や測量費、解体費が発生する可能性があります。
各手段のコスト構造を理解し、総費用ベースで比較することがポイントです。トータルで損をしない選択を心がけましょう。
将来の税金シミュレーションを行う
空き家を手放す際は、売却後と保有継続の両面で税金を試算しておくことが大切です。税金の仕組みを理解せずに進めると、思わぬ納税額に驚くケースも少なくありません。
空き家を売却すると利益が出た場合に、所得税や住民税が約20%かかります。条件を満たせば特例を活用できる場合があり、税負担の軽減が可能です。
たとえば、相続で取得した空き家を2,000万円で売却した利益が500万円あった場合、「500万円×20%=100万円」の税金がかかります。
「相続空き家の3,000万円特別控除」を適用できれば、税金はかからなくなります。
特例の有無や売却時期によって納税額が大きく変わるため、早めの試算が欠かせません。
参考記事:空き家の売却に活用できる6つの税金控除や特例を解説!損しないための基礎知識
空き家を手放すときの注意点
空き家を手放す準備をしても、「なかなか買い手が見つからない」「どの業者に頼めばいいか分からない」と途中でつまづくことがあります。
空き家を手放す際は、費用や業者選びのポイントを意識することが大切です。
ここからは、空き家を手放す際に注意しておきたい3つのポイントを紹介します。
スムーズに手放せる方法を考える
空き家をできるだけスムーズに手放すには、高く売ることだけにこだわらず、早期の処分や時期の見極めを意識しましょう。
不動産は需要のある時期を逃すと売却までの期間が長引き、結果的に維持費や税金の負担が増えてしまいます。
価格交渉や広告活動の前に、家族全員の意向やどの手段を優先するかを明確にする準備が欠かせません。
高く売るよりも、早く負担を減らすという発想も選択肢の1つです。市場動向や家族の状況を踏まえて、時期や方法、優先順位を決めましょう。
解体やリフォーム費用を正しく把握する
空き家を手放す際は、解体やリフォームにかかる費用を正確に把握することが不可欠です。建物の構造や立地によって解体費用は大きく異なるため、負担が大きくなる可能性があります。
たとえば木造住宅なら100万円〜150万円前後、鉄骨造では200万円かかることも少なくありません。
リフォームの際も、老朽化の程度や施工範囲によって費用差は大きく、複数業者から見積もりを取ることが重要です。
解体・リフォームの判断は感覚ではなく、費用の全体像を比較することで、最も合理的な選択ができます。
安心して任せられる業者を見つける
空き家を手放す際は、信頼できる不動産会社や専門業者を選ぶことがポイントです。業者の対応ひとつで、売却価格や契約スピード、手続きの安心感が大きく変わります。
空き家の取り扱い実績がある業者は、老朽化物件や相続登記が未完了のケースにも慣れていて、状況に応じた柔軟な提案ができます。
また、現地調査を丁寧に行い、メリットだけでなくデメリットも正直に説明してくれる担当者は信頼できるサインです。
一方で、相場より高い金額を提示し、契約を急がせる業者には注意しましょう。
安心して任せられる業者は、口コミサイトや行政の空き家相談窓口を活用して探すのがおすすめです。
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売れない空き家でお悩みの方は湘南空き家ラボへ
空き家の売却や処分は想像以上に手続きが複雑で、気力も時間も必要です。
買い手が見つからない方や遠方に住んでいて現地対応が難しい方は、専門のサポートを受けることで解決できます。
湘南空き家ラボでは、「空き家をどうにかしたいけど、どうしたらいいかわからない」「売れない物件を放置している」お悩みをサポートしています。
荷物がそのままでも、築年数が古い空き家でも問題ありません。リフォーム費用も当社が負担するため、費用の負担を抑えた活用が可能です。
空き家の手放し方で悩んでいる方は、ぜひ湘南空き家ラボへご相談ください。
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