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海外の空き家活用事例8選!事例から学ぶ日本での応用ガイド

海外では、空き家を「地域の資源」として考え直す動きが広がっています。

町全体をホテルとして機能させる分散型宿泊施設や、芸術家を招いて街に賑わいを生むアート拠点など、文化と経済を両立した活用が各地で進んでいます。

しかし、こうした事例を日本でも参考にしようと思っても、どの事例が自分の物件や地域に合うのか判断しにくいケースも少なくありません。

そこでこの記事では、海外のモデルを参考に、日本の空き家に落とし込む際の具体的なポイントについても解説します。

海外の斬新なアイデアをヒントにして、所有している空き家を活用できる方法がないか、さまざまな方法を検討してみましょう。

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【国別】海外の空き家活用事例8選

空き家の問題は、世界各国で深刻な課題となっています。

しかし、海外と日本の空き家問題への取り組み方の異なる点は、海外では「どう処分するか」ではなく「どう活かすか」という視点で取り組む事例が多い点です。

「古くてどうにもならない」と感じている物件でも、海外の事例を見ると、そういう状況の物件こそ、地域に根ざした価値を生む可能性も持っていることが伝わってきます。

ここでは、そのような日本とは違う視点で空き家を活用している事例を、ひとつずつ見ていきましょう。

1.【アメリカ】ランドバンク制度(自治体主導の空き家再生モデル)

アメリカのランドバンク制度とは、行政が使われなくなった物件や土地をまとめて預かり、きれいに修繕してから、次の住む人や地域の人へ引き継ぐ仕組みのことです。

1970年代から一部の地域でこの制度が取り入れられ、2000年代以降は国全体へと広く定着していきました。

そのまま放置されて不審者が入り込む危険や、ゴミが不法に捨てられる状況を、行政が間に入って防ぐことで、良好な環境を維持する効果が期待できるとされています。

人が減ってしまった地域では、誰もいない家が原因で不審火を引き起こすリスクを避けるため、行政による管理が大きな役割を果たしてきました。

日本でも法律の見直しや各市町村の登録制度が新しく整えられ、使われなくなった家を次の人へつなぐ動きが活発になっています。

空き家の管理に関して困っている所有者に代わって、行政が物件を地域の財産として生まれ変わらせる発想は、これからの日本にとっても役立つヒントといえるでしょう。

参考:国土交通省土地・建設産業局研究会「米国のランドバンクの動向について」

2.【アメリカ】アダプティブ・リユース(適応的再利用)

アメリカで行われているアダプティブ・リユースとは、建物の骨格や外観を残したまま、時代に合わせて新しい使い道を見つける方法のことです。

実際に工場を住まいに作り変えるケースや、使われなくなった学校を仕事場としてよみがえらせる取り組みが各地で進められています。

古い家をすべて壊して建て直す場合と比べて、ごみの量を大きく減らせるため、自然環境を守る点でも高く評価されている手法です。

また、建物を壊すための費用がかからないため、最初に準備するお金を少なく抑えられるのも大きな利点です。

日本の古い家や、新しく建て直せない土地の使い道で悩む場合も、このような考え方を取り入れることで、いまの姿を独自の魅力として活かす方法が見つかるかもしれません。

3.【アメリカ】アーティスト・イン・レジデンス

芸術家を一定期間、特定の場所に招いて滞在しながら制作活動を行ってもらうプログラムを「アーティスト・イン・レジデンス」といいます。

アメリカのミシガン州にある歴史ある美術学校では、100年以上前から豊かな自然の中で作品づくりに打ち込める環境を提供し続けてきました。

使われなくなった家を活動の場所として提供することで、滞在する芸術家が完成した作品やイベントを通して、地域の良さを外へ伝えてくれる良い流れが生まれます。

静かだった空間を、作品を発表する舞台に生まれ変わらせれば、見学に訪れる人が増えて地域全体のにぎわいにつながる効果が期待できます。

日本でも地方への移住に興味を持つ人が増えており、古い建物を音楽家や写真家が活動する拠点として貸し出す動きは少なくありません。

毎月受け取れる家賃が高くない場合でも、建物が再び活用され、近所に人が集まるきっかけを作ることは、所有者と地域の両方にとって大きな価値を持っています。

参考:wikipedia「オックスボウ美術学校とアーティスト・レジデンシー」

4.【イタリア】アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)

イタリアの言葉で「分散したホテル」を意味するアルベルゴ・ディフーゾは、空き家を客室や食事の場所として活用し、街全体をひとつのホテルとして機能させる宿泊モデルです。

イタリア北東部にある静かな山の村では、この仕組みを取り入れて観光客を呼び込み、地域の活気を取り戻した事例として世界中から注目を集めました。

長い歴史を持つ建物を壊さずにそのまま活かす点が、この取り組みの大きな特徴です。

新しい宿泊施設を建てるのではなく、既存の建物をよみがえらせることで、その土地ならではの美しい景色や文化を守りながら、観光に役立つ効果が期待できます。

日本でも、古い家がたくさん残る地域において、街全体で活用を進める視点を持つことは、物件を新しく生まれ変わらせるための役立つヒントといえます。

参考:イタリア北東部・フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の山村 サウリス

5.【イタリア】1ユーロ住宅プロジェクト

イタリアの1ユーロ住宅プロジェクトは、人口の減少が進む地域へ新しい住まい手を呼び込むために、行政が使われなくなった家を約160円という価格で譲り渡す取り組みです。

国内にある複数の市町村でこの制度が取り入れられ、実際にたくさんの人が移り住む結果につながりました。

安い価格で物件を手に入れた人には、決められた期間内に修繕を終わらせる条件が設けられており、確実に建物をよみがえらせる仕組みとなっています。

利益を減らしてでも、新しく住む人を迎え入れ、再び使ってもらうことで建物に価値を取り戻す考え方は、日本の地方においても参考になります。

買い手がつかないからと放置してしまうのではなく、次の人に使ってもらう前提で手放す方法を選ぶ発想の転換こそ、重要なポイントです。

参考:ヴェルジェモリ(ルッカ)トスカーナの1ユーロ住宅など

6.【ドイツ】多世代共生型シェアハウス

ドイツの多世代共生型シェアハウスは、高齢者から若者まで年代の違う人たちが、同じ建物で暮らすことで、一人暮らしの寂しさを防ぎながら支え合う関係作りに役立つ仕組みです。

首都のベルリンでは、入居者同士で話し合いながら生活のルールを決める、新しい集合住宅の形が実践されてきました。

世代を問わず一緒に生活する環境があることで、家族の介護負担は減り、近所の人たちと助け合う関係も深まっています。

日本でも、親族と離れて暮らす世帯の増加によって、地域のつながりも薄れてきています。

そのため、使われなくなった家を、幅広い年代の交流場所へ生まれ変わらせる取り組みは効果的といえるでしょう。

古い家には広い居間や縁側など、多人数で集まりやすい空間の残っているケースは少なくありません。

そのような建物の特徴を活かせば、物件そのものが地域住民の交流拠点として新しくよみがえる可能性もあります。

参考:R50 Cohousing(ベルリン)「共同住居プロジェクト」

7.【ドイツ】バウグルッペ

ドイツのバウグルッペは、住む人たちが集まって話し合いながら、協力して自分たちの住まいを作り上げる仕組みのことです。

首都で実践された代表的な計画は、参加者が希望の条件について意見を交わすことで、建設費用の負担を減らし、理想の空間に仕上げた事例として知られています。

最初から自分たちで計画に関わると、建物への愛着や責任感が育ち、長い期間にわたって丁寧な修繕が続けられる良い循環を生み出すのが大きな特徴です。

使われなくなった土地や古い家の跡地にこの仕組みを取り入れると、限られた場所が無駄にならず、住む人の希望に合わせた暮らしの実現につながります。

日本でも、古い建物の修繕に自分で挑戦したいという需要は少なくありません。

そのため、同じ目標を持った仲間が集まり、ひとつの物件に新しい価値を吹き込む動きは、今後広がっていくことが期待されます。

参考:Baugruppe D2(ベルリン)

8.【イギリス】コミュニティ主導のDIY再生

イギリスのコミュニティ主導のDIY再生は、住む人や地域住民の協力によって、傷んだ家屋に少しずつ修繕の手を加え、魅力的な街並みへと生まれ変わらせる取り組みです。

現地の都市では、資金のサポートとボランティアの協力によって、無理なく長く続く街づくりを実現し、世界的な評価へつながりました。

専門の業者や行政にすべて任せるのではなく、実際に使う人が参加することで、修繕を進める過程から建物への強い愛着が生まれます。

日本でも自ら修繕へ挑戦したい人への貸し出しからスタートし、所有者さまと地域の協力によって物件へ新しい価値を吹き込む動きは少なくありません。

家具や荷物が残った状態の家や、雨漏りしていて古く傷んだ家であっても、直してみたいという強い熱意があれば、建物を価値のあるものに変えられるでしょう。

参考:Granby Four Streets Community-Led Regeneration(リバプール)

海外の成功例から考える日本の空き家活用アイデア

特別な観光地ではない場合や多額の予算がない場合でも、地域の環境や建物の状態に合わせて、誰かに使ってもらう工夫を検討することが重要です。

海外の取り組みを知り、自分の所有する物件では難しいと感じる場合でも、日本国内の環境に置き換えて活用する選択肢は多く存在します。

ここでは、それぞれの地域や建物が持つ価値を引き出し、日本の物件に落とし込むための具体的な活用方法をご紹介します。

【アイデア1】観光客を呼び込む分散型民泊の運営

イタリアのアルベルゴ・ディフーゾのように、地域に残る古い家は別々の宿泊施設として活用し、旅行客へ街全体を楽しんでもらう仕組みは効果的な方法といえます。

既存の建物へ大きな修繕は行わず、古民家の持つ落ち着いた雰囲気のままで貸し出すことで、訪れた人へ、地域の日常に触れる特別な時間を提供できるでしょう。

分散型民泊は、大がかりな工事はしなくてもスタートしやすい点が利点です。

また、宿泊するお客さまに近くの飲食店や商店へ足を運んでもらえば、地域全体の経済が潤う結果にもつながりやすいでしょう。

【アイデア2】世代が交流する多機能シェアハウス

ドイツで実践されている多世代共生型シェアハウスを参考に、使われなくなった家は、幅広い年代の人たちで一緒に暮らす住まいとしてよみがえらせる選択肢もあります。

広めの居間を共用スペースとして開放すれば、生活空間と地域の人が交流する役割をひとつの建物へ持たせられるのは大きな魅力です。

一人暮らしの寂しさの防止と同時に、若い世代の住まいに必要な費用の負担を軽くする役割も果たし、地域特有の悩みの解決へ直接役立つ活用方法といえます。

【アイデア3】表現者を支援するアトリエ兼住居

アーティスト・イン・レジデンスの発想を取り入れて、古い建物は、仕事場や生活を兼ねた拠点として貸し出す手段も有効です。

毎月の家賃は安く設定する代わりに、住居の手入れは入居者へお願いし、完成した作品は地域の行事で発表してもらう貸し出し方も、魅力的なアイデアです。

所有者の負担が少ない状態で場所を提供できれば、入居者の手で建物はきれいに保たれ、地域から新しい芸術が生まれる、このような良い循環へ結びつくでしょう。

【アイデア4】住民が集う地域密着のコミュニティ拠点

イギリスのリバプールで実践された住民主導の街づくりを参考に、使われなくなった家は地域の人たちの集まる場所や、子育ての支援拠点として活かす選択肢もあります。

定期的な行事の開催場所として開放し、近隣住民の交流の機会を増やす工夫は、一人暮らしの寂しさの解消や地域社会の活気へ直接役立ちます。

建物に愛着の湧いた人たちによって、こまかな修繕は続けられるため、所有者にとっても安心して維持の役割を任せられる、理想的な形です。

湘南空き家ラボは建物の個性に合わせた最適プランを提案

湘南空き家ラボでは、物件の立地や状態、オーナーの希望に応じて、どんな活用方法が合うかを一緒に整理しています。

「収益化したい」という希望だけでなく、「手間をかけたくない」「思い入れのある家を誰かに使ってほしい」というご要望にも、柔軟に対応しています。

家具や荷物は残したままで、物件の運用をそのままお引き受けいたしますので、気軽にご相談ください。

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世界的に見た空き家問題と活用の背景

使われなくなった家が増えている状況は、日本だけの特別な悩みではなく、世界中で共通して起きている問題です。

自分の家だけが大変な状態にあると不安に感じる場合でも、同じような状況から解決へ向かった実例は海外に多くあります。

なぜ使われない家が増えるのかという共通の背景を整理して、日本国内にある空き家を活かすヒントがないか探してみましょう。

人口減少と高齢化による空き家の増加

ヨーロッパや北米を含めた多くの地域で、人口の減少が進み、親や家族が亡くなったあとに引き継いだ家がそのまま放置されてしまうケースは少なくありません。

家を引き継いだ人が遠くに住んでおり、定期的な手入れが難しい場合は、どうしても建物を維持できず老朽化が進む状況を引き起こすでしょう。

総務省のデータでは、2023年の時点で使われていない家は900万戸に達し、住宅全体の13.8%を占める数値となり、過去最高となりました。

また、賃貸や売却の予定がないまま長期にわたって使われていない物件は、約385万戸まで増加しており、空き家の多さが浮き彫りになっています。

人口減少の影響は地方だけでなく、都市部の中心街でも起きており、一部の地域に限定された状況ではなくなっています。

そのため、世界各地で積み重ねられてきた物件の修繕や活用に関する知恵は、現在の日本へ取り入れるべき有益な情報といえるでしょう。

参考:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」

仕事不足による移住と地方の衰退

若い世代の都会への移住によって、地域を支える働き手は減少し、使われない家や店舗の増えていく流れは海外の多くの国で共通しています。

イタリアの山奥やドイツの工業地帯においても、経済の落ち込みにともなって手入れをしないでいる建物が増加した歴史があります。

このようなそれぞれの地域で経験してきた取り組みから、建物の使い道は仕事づくりや新しい住まい手の支援とセットで検討しておくことが大切といえるでしょう。

新しい利用者の呼び込みによって空間は活用され、活動の拠点としてよみがえれば、街全体が活気を取り戻す結果につながります。

日本国内でも新しく移住してきた人の開業した小さな店舗や宿が地域に馴染み、次の移住者を迎える良い循環は各地で生まれています。

「壊さず直す」エコな再生ブーム

自然環境を守る意識が高まるなかで、すべての建物を壊して新築するのではなく、既存の骨組みを修繕して長く使い続ける考え方は、世界中に広がっています。

古い家屋の解体によって大量のごみが発生し、新築の際には多くの資源やエネルギーを必要とする状況は避けられません。

既存の形を活かして空間をよみがえらせることで、廃棄物の削減とともに二酸化炭素の排出も抑えられるでしょう。

長く住み続けられる街づくりを進めるうえで、使われなくなった家の修繕は注目を集めている取り組みのひとつといえます。

古いから価値がないとあきらめる前に、持続可能な活用に向いている資源として見方を変えることが世界のトレンドとなっています。

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海外事例から考える日本での空き家活用ポイント

日本の空き家を上手く活用するには、海外の優れた事例からヒントを得るだけでなく、所有している物件や地域の持つ特徴に合わせて工夫することが大切です。

成功している海外の事例には、それぞれの国が持つ背景や文化が深く関わっています。

地域の歴史や人のつながり、行政との協力を活かすことで、建物をよみがえらせる可能性は広がっていくでしょう。

地域の歴史や個性を価値に変える

海外で建物をよみがえらせた事例に共通しているのは、物件の背景や物語を活用の中心に置いている点です。

建築されてから50年を超えるような古い家には、その土地で積み重ねられてきた暮らしの歴史がしっかりと残っています。

新しい家では再現できない個性こそ、他にはない空間として、観光客や移住者を惹きつける大きな強みへと変わるでしょう。

古くて傷んでいると心配されるような建物でも、工夫して修繕すれば魅力的な資源として新しく生まれ変わる可能性があります。

同じような作りになりやすい新しい建物との違いを明確にできる部分こそ、長年使われてきた家の持つ大きな魅力といえます。

行政や住民と連携し街全体で取り組む

ランドバンクの事例のように、使われなくなった家の修繕は個人だけで進めるのではなく、地域の人たちや行政と協力する仕組みを作れば、長く続く取り組みになります。

日本国内の各自治体でも、修繕にかかる費用の一部を負担する制度や、新しい住まい手へ向けた支援窓口の用意されているケースは少なくありません。

建物の使い道の変更にかかわる手続きも、以前より柔軟に対応してもらえる地域は増えており、所有者の負担を減らす環境は少しずつ整ってきています。

このような自治体が用意している支援制度や近所のネットワークを上手く活かせば、空き家を活用する際の負担を軽減する効果が期待できます。

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世代を超えた新しい住まい方を提案する

ドイツのバウグルッペやイギリスのDIY再生の事例を参考に、元の状態へ戻さず自由に改装できる条件で貸し出せば、入居を希望する人の幅は大きく広がります。

入居者の修繕できる範囲を契約の段階でしっかりと決めておけば、建物の安全性を守りながら安心して貸し出せるでしょう。

修繕に使う材料の一部は、所有者で用意する形や、空間をきれいにしてくれた分だけ毎月の家賃は安くする仕組みも魅力的な選択肢です。

事前に預かり金は準備して、基礎部分の傷むトラブルを防ぎつつ、住む人の手で理想の空間へ育ててもらう関係作りは、無理のない維持管理へと結びつくでしょう。

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空き家DIYは初心者でも可能?注意点や事例を含めて徹底解説

空き家でお困りなら湘南空き家ラボにご相談ください

空き家を上手く活用する際は、建物の個性や地域に合わせた使い道の選択が重要です。

湘南空き家ラボでは、所有者さまと一緒に最適なプランの作成に取り組みます。

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