固定資産税の計算に使われる建物の評価額は、築年数が経過しても完全にゼロになることはありません。
そのため、築50年の一戸建てを所有していても、一定の税額を負担し続ける義務が生じます。
この記事では、古い家の固定資産税が安くならない理由や、実際の納税額を調べる方法などについて解説します。
どれほどの費用を負担しているのか改めて確認して、将来的に所有している一戸建てをどうしていくのかについて一緒に考えてみましょう。
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築50年の一戸建ての固定資産税はこう決まる!知っておきたい計算の基本

「毎年払っているのに、自分の家の固定資産税がどうやって計算されているか、実はよくわかっていない」という方は少なくありません。
特に、親から引き継いだ実家や、長年放置してしまっている空き家の場合、納付書を見ても「なんとなく高いな」としか感じられない場合が多いものです。
そのような人のために、ここでは固定資産税の仕組みをわかりやすく整理します。
【基本の計算式】評価額に税率1.4%をかける
固定資産税は、家が建っている「土地」と家そのものである「建物」の価値に対して、それぞれ決められた税率をかけて計算します。
この価値の基準となる金額を固定資産税評価額と呼び、原則として1.4%の税率をかけて年間の税額が決まる仕組みです。
1.4%という数字は、国が定めた標準の税率ですが、お住まいの市町村によっては独自の判断で少し異なる税率になっている場合もあります。
ここでは、具体的な計算のイメージをつかむために、土地の評価額が500万円で、建物の評価額が100万円だった場合の目安を表で確認してみましょう。
項目 | 固定資産税評価額×税率 | 固定資産税額 (年間) |
|---|---|---|
土地 | 500万円×1.4% | 7万円 |
建物 | 100万円×1.4% | 1.4万円 |
合計 | 600万円×1.4% | 8.4万円 |
このように計算して算出された8万4,000円が、このケースで1年間に納める税金となります。
計算のベースとなる土地や建物の評価額は、3年に1度のタイミングで金額の見直しが行われるルールとなっています。
誰も住んでない実家はどうする?固定資産税6倍のリスクと5つの対処法
参考:総務省「固定資産税」
【要注意】エリアによっては都市計画税も加算される
固定資産税とあわせて忘れてはならないのが「都市計画税」です。
都市計画税は「市街化区域」と呼ばれるエリアに土地や家を所有している場合に課税され、税率は最高で評価額の0.3%と決められています。
この市街化区域とは、すでにたくさんの家やお店が集まっている街中や、これから優先的に道路などを整備して発展させていく場所のことです。
ご自身の物件が都市計画税の課税対象になるかどうかは、市区町村の税務課や資産税課の窓口で確認できます。
都市計画税も支払いの義務があるエリアであるのか、固定資産税の支払い額とあわせて確認しておきましょう。
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参考:総務省「都市計画税」
【意外と簡単!】築50年の一戸建ての固定資産税をサクッと調べる方法とは?

「自分の家の固定資産税が今いくらなのか、正確に確認する方法がわからない」という方も多いと思います。
そこでここでは、どのような手順で確認すればよいのか、具体的な3つの方法を順番に解説いたします。
毎年の負担額を明確にして、所有している一戸建てをこれからどのように扱っていくべきか検討していきましょう。
【方法1】手元の「課税明細書」をチェックする
毎年4〜6月ごろに届く固定資産税の納付書には「課税明細書」が同封されています。
この明細書には、土地と建物それぞれの課税標準額・税率・固定資産税額・都市計画税額が記載されており、自分の物件の税負担の内訳を簡単に確認できます。
確認する際には、土地と建物の内訳を分けてチェックすることが大切です。
どちらの負担が重いのか、前年と比べて変化があったかを見るだけで、税金が上がった理由や今後の見通しがある程度つかめるでしょう。
記載されている評価額に疑問を感じた場合は、市区町村の資産税課へ問い合わせることで詳しい説明を受けられます。
もし手元の明細書を紛失してしまった場合でも、役所の窓口へ依頼して再発行してもらうことで、正確な金額を確認できます。
【方法2】役所で名寄帳で一覧を確認する
「所有している物件を一覧で把握したい」「相続した物件の詳細を確認したい」という場合には、市区町村の資産税課で「名寄帳(なよせちょう)」を取得する方法が有効です。
名寄帳とは、同一の市区町村内で所有しているすべての土地・家屋の評価額や所在地を一覧でまとめた公的な台帳のことです。
運転免許証のような本人確認書類を持って窓口へ行けば、その場で手続きが完了します。
ただし、必要書類などは自治体によって異なる場合もあるため、事前に各市区町村に必要書類・手数料・窓口時間を確認しておくとスムーズです。
【方法3】公示地価から税額の目安を計算する
自治体から送付される課税明細書が手元にない場合や、税額の目安を知りたいときには、公示地価をもとにざっくり計算する方法もあります。
土地の固定資産税評価額は、一般的に公示地価の約70%程度が目安とされています。
この評価額に1.4%の税率をかけることで、土地にかかる固定資産税のおおよその金額が分かる仕組みです。
都市計画税がかかるエリアであれば、ここへ最大0.3%の税率を上乗せして計算しましょう。
また、住宅が建っている土地には住宅用地の特例というルールが適用され、面積によって次のように税金の負担が軽減されます。
土地の区分 | 対象となる面積 | 評価額の軽減割合 |
|---|---|---|
小規模住宅用地 | 200平方メートル以下の部分 | 評価額が6分の1 |
一般住宅用地 | 200平方メートルを超える部分 | 評価額が3分の1 |
この軽減される割合を考慮に入れて計算すると、実際に納める税額に近い目安を出しやすくなります。
概算の金額であるため実際の税額と誤差は生じますが、費用の把握やほかのエリアと比較する際には、十分活用できるやり方と言えるでしょう。
参考:国土交通省「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」
【目安がパッと分かる!】築50年・一戸建ての固定資産税の計算シミュレーション

「自分の家の固定資産税は、どれくらいかかっているんだろう?」と気になっている方のために、湘南エリアの代表的な市を例にとって計算シミュレーションをまとめました。
地域によって地価が異なるため、同じ築50年の一戸建てでも税額には差が出ます。
そのため、あくまで目安としてご参考にしてください。
【パターン1】藤沢市・30坪の家は年間約8万円
藤沢市に、30坪の土地と25坪の古い一戸建てを所有していると仮定したシミュレーションになります。
藤沢市は交通の便がよく、生活しやすい住宅街が広がっている人気のエリアです。
このような特徴のある藤沢市を例にして、特例によって評価額が軽減された土地と、価値が下がりきった築50年の建物を合計して計算してみましょう。
所在地 | 藤沢市 |
|---|---|
土地の広さ | 30坪 (約100平方メートル) |
建物の広さ 築年数 | 25坪 築50年 |
年間の税額目安 | 約8万円 (都市計画税を含む) |
ひと月あたりの負担 | 約6,700円 |
この2つにかかる固定資産税に都市計画税を加えると、1年間に納める税金はおおよそ8万円という目安が出ます。
ひと月あたり約6,700円の出費になると考えると、家計にとって決して軽い負担ではないでしょう。
誰も住んでいない空き家として持っているだけの状態である場合は、この税金の支払いがじわじわと重くのしかかってきます。
【パターン2】茅ヶ崎市・40坪の家なら年間約10万円
茅ヶ崎市に土地40坪(約132平方メートル)・建物30坪の一戸建てを所有している場合のシミュレーションです。
海が近く、湘南エリアの中でも人気が高い茅ヶ崎市は、土地の価格も高めに評価される傾向が見られます。
敷地が広くなると土地の評価額も上昇していくため、先ほどの30坪の家と比較して、全体の税金の負担が重くなりやすい状態であるといえるでしょう。
所在地 | 茅ヶ崎市 |
|---|---|
土地の広さ | 40坪 (約132平方メートル) |
建物の広さ 築年数 | 30坪 築50年 |
年間の税額目安 | 約10万円 (都市計画税を含む) |
ひと月あたりの負担 | 約8,300円 |
この条件で固定資産税と都市計画税を合計して計算すると、1年間に納める税金はおおよそ10万円という目安が出ます。
ひと月に換算して約8,300円の出費が継続して発生すると考えると、家計への影響は小さくありません。
【パターン3】鎌倉市・50坪の人気エリアは約14万円
鎌倉市に土地50坪(約165平方メートル)・建物35坪の一戸建てを所有しているケースです。
観光地としても知名度が高く、移住希望者にも人気の鎌倉市は、湘南エリアの中でも地価水準が高い傾向にあります。
土地の面積が200平方メートル以下であるため、税金を軽減する特例はすべて適用されるものの、もともとの地価が高いため土地にかかる税金が上がってしまいます。
古い建物の税金が安くなっていたとしても、土地にかかる税金が高いため、結果的にトータルの支払い額が大きくなってしまうのが鎌倉エリアの特徴です。
所在地 | 鎌倉市 |
|---|---|
土地の広さ | 50坪 (約165平方メートル) |
建物の広さ 築年数 | 35坪 築50年 |
年間の税額目安 | 約14万円 (都市計画税を含む) |
ひと月あたりの負担 | 約1万1,700円 |
固定資産税と都市計画税を合計して計算すると、1年間に納める税金はおおよそ14万円という目安が出ます。
誰も住んでいない家に毎年14万円のお金がかかる状況は、家計を守るためにも早めに解決しておきたい問題といえるでしょう。
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空き家の活用方法5選!アイデアやメリット・デメリットを事例を含めて解説
【要注意】築50年の一戸建ての固定資産税が「下がりにくい」のはナゼ?

築50年が経過した古い家であっても、固定資産税が一定の金額から下がらないことには理由があります。
「築年数に比例して税金も安くなる」と考えがちですが、実際には建物の評価額に下限が設けられており、それ以上は下がらない仕組みになっています。
なぜ古い家でも税負担が軽くならないのか、ここで具体的な計算の仕組みを見ていきましょう。
【理由1】建物の評価額は20%で下落ストップ!
建物の固定資産税は、築年数が経つにつれて少しずつ安くなりますが、決してゼロにはなりません。
これは、計算のルール上、建物の評価額に「これ以上は下がらない」という下限を設けていることが理由として挙げられます。
一般的な木造住宅の場合、築25年から30年ほど経過すると、建物の評価額は新築時の約20%まで下がります。
しかし、それ以降はどれだけ年数が経っても、2割の評価が残り続けます。
築50年の家でも税金が下がらないのは、すでにこの下限に達している状態であるためです。
【理由2】全国的な地価上昇で土地の評価額が上がる
近年、新しい駅や商業施設ができる再開発、観光客の増加に伴うホテル建設、投資目的での土地購入などにより、全国的に土地の値段(地価)が上がっています。
固定資産税の土地評価は3年に1度行われる「評価替え」のタイミングで見直されるため、周辺の地価が上昇していると、土地の評価額も連動して上がります。
住宅用地の特例によって課税標準は6分の1に抑えられていますが、その基礎となる評価額自体が上がると、結果として税額も増える場合があります。
「何も変えていないのに去年より税金が増えた」という場合、こうした地価上昇による評価替えが影響している可能性もあるでしょう。
【理由3】資材高騰で「再建築価格」が上昇している
固定資産税の建物評価は「再建築価格」をもとに算出されています。
建物の固定資産税は「いま、まったく同じ家をもう一度建て直したらいくらかかるか」を基準に計算され、そこから古くなった分の価値を差し引いて決まる仕組みです。
しかし近年は、世界的な物価高や木材不足などの影響で、建築資材や職人の人件費が大きく値上がりしています。
そのため「年数が経って安くなる分」よりも「家を建てるための基本コストが上がる分」のほうが大きくなってしまい、古い家でも評価額が下がらない現象が起きています。
「古い家なのに建物分の税金が思ったより高い」と感じるのは、この資材高騰が大きく影響している可能性もあるでしょう。
空き家の税金負担でお悩みなら湘南空き家ラボにご相談を
家賃収入もなく、売却の話も進んでいないといった状況で、空き家の固定資産税だけが出ていく状態は、精神的にも経済的にも消耗してしまいます。
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【危険】築50年以上の一戸建ての固定資産税が突然上がる!?知っておくべきリスク

空き家を適切に管理せず放置していると、固定資産税が大幅に跳ね上がってしまうケースもあります。
特に築50年を超える古い家は老朽化が進みやすいため、所有者が気づかないうちに行政から「危険な空き家」として目をつけられるリスクが高まります。
ここでは、古い家をそのままにしておくことで発生する、2つのリスクについて確認しておきましょう。
【リスク1】特定・管理不全空き家への指定で固定資産税が最大6倍に
空き家を適切な状態に保たずに放置すると、自治体から指導を受けて税金の特例が解除され、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。
税金が上がる対象となるのは、以下の2つの状態に指定された空き家です。
- 特定空き家: 倒壊の危険や衛生上の問題があり、周囲に悪影響を及ぼしている状態
- 管理不全空き家: 特定空き家ほどではないものの、手入れが不十分で将来的に危険になるおそれがある状態
以前は特定空き家のみが対象でしたが、法改正により、現在は管理不全空き家として勧告を受けた場合も、税金を6分の1に抑えていた特例が外されてしまいます。
特に築50年以上の古い家は老朽化が進みやすいため、気づかないうちに劣化が進んでおり、特例が外されてしまうケースも少なくありません。
特定空き家とは?放置で固定資産税が6倍!?認定基準から対策まで解説
参考:国土交通省「特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」
【リスク2】更地化で特例が外れて税金の負担が増加
建物を解体して更地にすると、税金を安くしていた特例が外れ、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。
これは、税金を安くする「住宅用地の特例」が、住宅の建っている土地に限定されており、更地にした時点で優遇措置から外れてしまう仕組みであることが理由です。
また、特定空き家への指定を避けるために解体を選ぶと、税金が上がるだけでなく、高額な工事費用という、もう一つの重い負担がのしかかります。
築50年ほどの一般的な木造一戸建ての場合、解体工事には100万〜300万円程度の費用がかかるのが一般的です。
多額の費用をかけて家を壊した翌年から、最大6倍になった固定資産税を毎年払い続けるという、二重の負担に苦しんでしまうケースも珍しくありません。
そのため、解体や更地化は、最終手段として慎重に判断する必要があります。
空き家を更地にするとなぜ固定資産税が高くなる?解体前に計算しておこう
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