「傾いた家なんて、誰も買ってくれないのでは……」と、不安を抱えていませんか?
高額な解体費用に驚いたり、不動産会社から売却を断られたりして、途方に暮れる方は少なくありません。
しかし、適切な戦略さえ知れば、傾きのある物件でも納得のいく形で手放すことは十分に可能です。
本記事では、傾いた家の売買を「現状維持」「修繕」「解体」の3パターンで比較し、損をしないための判断基準を解説します。
固定資産税や管理の負担を解消し、前向きな一歩を踏み出すためのガイドとして活用してください。
傾いた家はそのまま売却できる?

「傾きがある家は売れない」と思い込み、維持費を払い続けたり、高額な解体費用が必要だと諦めていませんか。
実は、大きな費用をかけて建物を壊さなくても、現状のまま価値を見出してもらえる方法はいくつかあります。
建物の状態を正しく把握し、適切な売却方法を選べば、現状のままでも納得できる形で売却することは可能です。
まずは、売買が成立する理由と、判断のポイントから見ていきましょう。
結論:傾いた家も状態によっては売却可能
法律上、傾いた家の売買を禁止する規定はありません。
実務では、物件を「現状有姿(そのままの状態)」で引き渡し、買い主側がリフォームや地盤修正をおこなう前提での取引が一般的です。
適切に情報を開示し、価格に反映させれば成約に至るケースは多々あります。
しかし、一般的な中古住宅より検討層が限られるため、売却期間が長引く点はあらかじめ考慮しておく必要はあります。
売却可否を分ける傾きの程度と許容範囲
売却のしやすさは、家の傾きの程度によって大きく左右されます。
軽度の傾き(生活に支障なし):ビー玉がゆっくり転がる程度であれば、相応の価格調整によって一般の個人へ売却できる見込みがあります。
顕著な傾き(建具に支障あり):ドアや窓の開閉が困難なレベルでは、大規模修繕や解体を前提とした取引となり、ハードルは一気に上がります。
さらに見逃せないのが「住宅ローン」の壁です。見た目でわかるほどの傾きがある物件は、金融機関の担保評価が低くなり、ローン審査が通らない可能性が高くなります。
そうなると購入者が「現金一括払い」ができる層に限定されるため、最終的な成約価格にも大きな影響を及ぼします。
国の基準(品確法)における瑕疵(かし)の目安:6/1000とは
国土交通省の「品確法」では、傾きが6/1000(約0.34度)以上になると、構造上の不具合や健康リスクが懸念される水準と定義されています。
わずかな角度に思えますが、この数値は売却時に「修繕が必要な物件か」を判断される重要な境界線となります。
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「住めない」と判断される恐れも!傾きが及ぼす深刻な健康被害

家の傾きには価格の問題だけでなく、より深刻な問題が隠れていることがあります。
たった数度の傾きでも「めまい・頭痛・吐き気」の原因に
傾いた空間に長時間滞在すると、常に船酔いに近い状態が続き、慢性的な頭痛や吐き気・ひどい肩こりに見舞われます。
さらに深刻なケースでは、睡眠障害や自律神経失調症などの精神的な不調に発展するリスクもあります。
長く住んでいると感覚が鈍り異変を自覚しにくくなりますが、その「慣れ」こそが問題の発見を遅らせてしまうのです。
健康被害のリスクがある物件は敬遠される
不動産の売却では、内覧時の第一印象がとても大切です。
「なんとなく落ち着かない」「少しふらっとする」と感じると、その物件は敬遠されがちです。
特に、子どもや高齢者のいる家庭では、健康面への影響に敏感になりやすいものです。
立地が良くても、体調面の不安があると感じられれば、候補から外れてしまうことがあります。
参考:傾いた自宅で傾いた自宅で過ごす家族が「めまい」…水道管理業者「家を解体しなければ、水を通せない」
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傾いた家の売却価格はどれくらい下がる?相場価格の目安

傾きのある家の価格下落は、その状態に応じて大きく3段階に分けられます。
売却価格の下落目安(軽度・中度・重度)
軽度:傾きがごくわずかで生活への支障がほとんどない状態を指します。
この場合は、一般の個人客も購入を検討してくれるため、相場から5〜10%程度の値引きで成約できる可能性があります。
中度:目視で違和感があったり建具の動きが悪くなったりしている状態です。
この段階になると住宅ローンの審査が通りにくくなるため、一般の方は敬遠しがちになり、ターゲットは現金購入者や買い取り業者へと移ります。
その結果、価格は相場から20〜30%ほど大幅に下落するのが一般的です。
重度:誰の目にも明らかな傾きや健康被害のリスクがある状態では、建物としての価値はほぼ認められません。
相場から50%以上の減額、あるいは価値ゼロと判断され、専門の買い取り業者へ売却するか、解体して土地として手放すことを検討せざるを得なくなります。
価格が下がる3つの理由:修繕費用・心理的障壁・リスクへの対価
傾いた家の価格が大きく下がりやすい背景には、単なる築年数の古さとは異なる、主に3つの理由があります。
1.不同沈下を直すためのジャッキアップなどの工事には、500万〜1,000万円ほどの高額な費用がかかることがあります。
その見込み費用が、売却価格から差し引かれて評価されるのが一般的です。
2.「欠陥のある家ではないか」「健康に影響はないか」といった、買い手が感じる不安も大きく影響します。
こうした不安があると購入を考える人が少なくなり、売れるまでに時間がかかりがちです。
結果、追加の値下げが必要になることもあります。
3.目に見える修繕費だけでなく、将来また沈下するかもしれない不安や、工事期間中の負担といったリスクも考慮されます。
その分も値引きとして見込まれることが多く、価格が下がりやすくなります。
土地の価値が高い場合は「古家付き土地」として評価されるケースも
都心部や人気の住宅地など、土地の需要がとても高いエリアでは、建物に傾きがあっても必ずしも売りにくくなるとは限りません。
買い手がはじめから建物を取り壊して新築する前提で検討するため、建物の状態に関わらず「古家付き土地」として評価されることがあるからです。
このようなケースでは、建物の価値が認められなくても、土地相場に近い価格で売却できる可能性があります。
ただし、ここで意識しておきたいのは最終的な手取り額です。
一般的には、土地の相場価格から解体費用の目安である100万〜200万円程度を差し引いた金額が、実質的な売却価格の目安になります。
立地の良い物件をお持ちであれば、建物ではなく「土地としての価値」をまず把握することが大切です。
不動産会社に査定を依頼する際は、現況の建物を含めた評価額だけでなく、更地価格から解体費を差し引いた場合の純粋な土地評価についても確認してみてください。
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損をしないための選択!傾いた家を売却する3つの方法

物件の状態や所有者の状況に応じて、最適な売却方法を選びましょう。
1.そのままの状態で売却する
売り主側で一切の手を加えず、現在の状態で売り出す方法です。
- メリット:手出しの現金が不要。
- デメリット:買い手がDIY層や専門業者に限られ、大幅な値引き交渉が前提となる。
- 向いている人:修繕資金の用意が難しい、または売却を急がない方。
2.傾きを直してから売却する
補修工事を行い、欠陥のない状態にしてから市場に出す方法です。
- メリット:買い手の不安を払拭でき、周辺相場に近い価格でスムーズに売れる。
- デメリット:数百万円の工事費が先行して必要。回収できない赤字のリスクもある。
- 向いている人:人気エリアに物件があり、直せば確実に高値で売れる見込みがある方。
3.解体して土地として売却する
建物を壊し、更地として手放す手法です。
- メリット:建物に関するクレームを完全に排除できる。
- デメリット:100万〜200万円の解体費が先出しとなる。
- 向いている人:築年数が古く建物に価値がない、または倒壊の危険がある方。
空き家は解体すべき?メリット・デメリットから手続きの流れを解説!
家の傾きの調査方法とは?

売却前に現状をきちんと把握しておくことは、契約直前のトラブルを防ぐうえで大切です。
自分でできる簡易チェック
専門家に依頼する前段階として、まずは身近な道具を使って傾きの兆候を確認することができます。
スマートフォンの水準器アプリを使えば、床に置くだけで傾きの角度をすぐに数値で確認でき、目安として客観的に把握できます。
あわせて建物自体が発しているSOSのサインも見逃さないようにしてください。
具体的にはドアや引き戸が勝手に開閉したり、鍵がかかりにくくなったりといった日常の違和感や、外壁や基礎部分に斜めのひび割れが入っている場合は注意が必要です。
「ビー玉を転がす」方法は、床材の浮きや施工のわずかなズレでも起こることがあります。これだけで判断せず、ほかの構造的な症状とあわせて確認することが大切です。
信頼を担保するホームインスペクションの活用
セルフチェックで違和感を覚えた場合は、次のステップとしてホームインスペクター(住宅診断士)による専門的な診断を検討しましょう。
オートレーザーレベルなどの精密な機器を使った調査では、品確法の基準(6/1000)に照らして、傾きの程度をミリ単位で確認できます。
結果は「診断報告書」として残り、買主へ誠実に情報を伝えている証明になるだけでなく、契約後のトラブル防止にも役立ちます。
また、傾きの原因が地盤によるものか、あるいは構造材の劣化(シロアリ被害など)によるものかを判断できる点も、重要なポイントです。
原因がわかれば、修繕してから売るか・そのまま売るかを、客観的な情報をもとに判断できるようになります。
傾き調査、にかかる費用と期間の目安
プロによる診断を検討する際、まず把握しておきたいのがコストとスケジュールの目安です。
費用の相場については、傾きの測定のみであれば5万円前後が一般的です。
床下や屋根裏まで含めた建物全体の住宅診断(ホームインスペクション)をおこなう場合は、10万〜15万円程度が目安となります。
また、調査にかかる時間や期間も考慮しておく必要があります。現地の調査自体は建物の規模によりますがおおむね2〜3時間程度で完了します。
その後、詳細なデータに基づいた正式な報告書が手元に届くまでは、調査から1週間〜10日ほどかかるのが一般的です。
ここで一つ注意したいのが「無料診断」としている業者の存在です。
一部のリフォーム業者が「無料で調査します」と提案してくることがありますが、その多くは高額な修繕工事の受注を目的としています。
必要以上に不安をあおられたり、本来は不要な工事をすすめられたりする可能性もあります。
公正に売却を進めるためには、工事を行わない独立したインスペクション専門業者に依頼し、中立で公平な診断結果を得ることが大切です。
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傾きを隠すと危険!売却時の「告知義務」と「契約不適合責任」

不動産取引において、建物の傾きは買い主の購入判断を左右する「重要事項」です。
傾きを隠したまま売却し、引き渡し後に発覚した場合、売り主は多額の損害賠償や契約解除といった深刻なリスクを背負うことになります。
知っていて隠すのは絶対NG!告知書への記載義務とは
売却時には、売主に建物の不具合を把握している範囲ですべて伝える義務があります。
これは、傾きや雨漏りなどの不具合を「物件状況確認書(告知書)」に記載して買主へ伝える「告知義務」にもとづくものです。
傾きを知りながら伝えずに売却してしまうと、契約の解除や損害賠償を求められる可能性があります。
さらに悪質と判断された場合には「詐欺」として刑事責任を問われるおそれもあります。
また、引き渡し後にリフォームや点検が行われると、これまで気づかれなかった不具合が見つかることも少なくありません。
そのため「気づかれなければ大丈夫」という考え方は、不動産取引では通用しないものと考えておくことが大切です。
売却後のトラブルを防ぐ「契約不適合責任」の免責特約
引き渡し後に、契約書に記載のない不具合が見つかった場合、売主は「契約どおりの状態で引き渡さなかった責任」を負うことがあります。
これを「契約不適合責任」といい、修繕費の負担や代金の減額に応じる必要が生じます。
傾いた家や築年数の古い物件では、この責任を負わないとする「免責特約」を結ぶケースが一般的です。
ただし、ここで特に注意したい点があります。
免責が有効と認められるのは、不具合をすべて正直に伝え買主が納得したうえで購入している場合に限られます。
もし不具合を隠していた場合には、どれほど強い免責特約であっても認められないことがあります。
誠実に情報を伝えることが、結果として売主自身を守ることにつながります。
業者買い取りが最も安全な理由
売却後のトラブルをなるべく避けたいなら、不動産の買い取り業者への売却も安心できる選択肢です。
専門業者は物件の状態を理解したうえで購入するため「契約不適合責任」を負わない契約になりやすく、引き渡し後の不安を減らせます。
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