空き家の減免制度を利用しても、誰でも固定資産税の支払いが完全になくなるわけではありません。
「減免」という言葉から、負担がゼロになると誤解されやすいものの、全額免除の対象となるのは、特定の条件を満たした場合に限られます。
しかし、無料にならないケースであっても、決められた手順に沿って制度を活用すれば、固定資産税を一定期間抑える効果が期待できます。
この記事では、固定資産税の負担を軽くするための要件や、具体的な申請手順について分かりやすくまとめました。
手続きの注意点や全体の仕組みなどを理解して、所有している空き家の固定資産税の負担を軽減できないか検討してみましょう。
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【基礎知識】空き家の固定資産税の仕組みと税金が安くなる特例

固定資産税の減免制度について学ぶ前に、固定資産税の基本的な計算方法や、税額が決まるルールについて解説します。
前提となる仕組みを知っておくと、減免制度の対象になる基準が分かりやすくなるでしょう。
【基本】空き家の固定資産税はどう決まる?
固定資産税は、自治体が決める固定資産税評価額をもとにして計算されます。
【固定資産税の計算式】 固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%) |
課税標準額とは、自治体が算定した固定資産の価格(固定資産税評価額)をもとに決まる金額です。
例えば、土地の課税標準額が1,000万円の場合、固定資産税は次のように計算されます。
【1,000万円の場合の計算式】 1,000万円 × 1.4% = 14万円 |
固定資産税の税率は地方税法で標準税率1.4%と定められており、多くの自治体がこの税率を採用しています。
ただし、固定資産の価格は3年に1度「評価替え」が行われるため、地域の土地価格や周辺環境の変化によって税額が見直される場合もあります。
【重要】固定資産税が6分の1になる特例の仕組み
住居として使える建物が建っている土地には、住宅用地の特例という税金を安くする制度が適用されます。
この特例によって、200平米までの土地であれば、固定資産税の計算の基準となる額が最大で6分の1に下がります。
例えば、土地の課税標準額が1,200万年である場合、特例の有無によって、年間の固定資産税額は約14万円も変わる計算です。
条件 | 課税標準額 | 固定資産税額 (年間) |
|---|---|---|
住宅が建っている土地 (特例あり) | 1,200万円×1/6 | 約2.8万円 |
更地 (特例なし) | 1,200万円 | 約16.8万円 |
ただし、この特例は「住宅が建っていること」が条件です。
家を解体して更地にすると特例の対象から外れるため、土地の税金が一気に高くなる可能性もあります。
そのため、固定資産税の負担を少しでも軽減したい場合は、固定資産税額を計算した上で、いつ解体すべきかを検討することが重要です。
空き家は解体すべき?メリット・デメリットから手続きの流れを解説!
【申請の流れ】空き家の固定資産税減免に必要な手続きは?
空き家における固定資産税の減免制度を利用するためには、自治体が定めた正しい手順で進めることが大切です。
進める順番を間違えると、申請できなくなる場合もあるため、全体の流れは事前に把握しておきましょう。
【ステップ1】まずは自治体の窓口へ事前相談
固定資産税の減免制度は、すべての自治体に用意されているわけではありません。
地域によって制度の有無や条件が大きく異なるため、まずは物件のある自治体の窓口に直接問い合わせるのが確実です。
インターネットの情報だけで自己判断して、空き家の解体や改修の作業を始めてしまうと、減免制度の対象外となってしまう可能性もあります。
このような失敗を防ぐために、資産税課などの担当窓口に連絡を取り、自分の空き家が制度を使えるかどうか確認しておきましょう。
【ステップ2】自治体による現地調査と判定
事前相談のあとは、自治体の担当者が直接現地を訪れて、空き家となっている建物の状態を確認します。
この調査によって、減免制度の対象となるか判定されます。
自治体によって条件は異なりますが、確認される主なポイントは次のとおりです。
【減免制度の要件の例】
- 建物の老朽化が進み倒壊の危険がある
- 屋根や外壁の破損などにより周囲に危険を及ぼす可能性がある
- 長期間使用されていない空き家である
- すでに居住や活用が困難な状態になっている
- 解体や適切な管理を所有者が検討している
減免制度を受けるには、解体や改修などの対策を求められるケースが一般的です。
自治体から改善や解体の方針について確認されることもあるため、事前にどのような対応が必要になるのか把握しておきましょう。
【ステップ3】要件に合わせて解体や改修を実施
自治体による空き家の調査を終えて、固定資産税の減免制度の対象になると確認できたら、指定された条件に沿って解体や改修の工事を進めます。
工事費用が高額になる場合は、自治体の補助金を利用して、解体費用を抑えられるかどうかも確認してみてください。
補助金を利用する際は、工事を始める前に申請を済ませておく形が基本となっています。
先に解体や改修工事を始めてしまうと、補助金の対象外になる可能性もあるため注意しましょう。
【ステップ4】工事の完了後に減免申請を行う
減免制度の対象となる工事がすべて終わったら、自治体の窓口に固定資産税の減免制度への申請書類を提出します。
工事前後の写真や業者が発行した証明書など、指定された書類に漏れがないよう準備しておくことが大切です。
審査に通ると通知書が届き、翌年度の固定資産税から減免が適用されます。
申請のタイミングが遅れると、減免される時期も後ろにずれる場合があるため、工事後は早めに行動することをおすすめします。
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知らないと損!空き家の減免申請を成功させる条件と注意点

減免制度を利用すれば、空き家の固定資産税の負担を軽くできる可能性があります。
しかし、申請には細かな条件や期間の制限があり、知らずに手続きを進めてしまうと対象外になるケースも少なくありません。
ここでは、空き家の減免申請を検討している方が、申請を成功させるために事前に知っておきたいポイントを解説します。
【注意点1】減免要件は自治体ごとに異なる
固定資産税の減免制度を利用するための条件は、自治体がそれぞれ独自に設定しています。
対象となる築年数や建物の劣化具合など、細かい基準は地域によってさまざまです。
ほかの地域の事例が自分の物件に当てはまるとは限らないため、必ず管轄の窓口で詳細を確認することが重要です。
【神奈川県藤沢市】固定資産税の減免制度
藤沢市では、一定の事情がある場合に固定資産税の負担を軽減する減免制度が設けられています。
主に、次のようなケースが対象です。
【減免制度の対象となるケースの例】
- 災害(火災・風水害など)により家屋に被害が出た場合
- 生活保護を受けているなど経済的に困難な状況にある場合
- 公共性の高い目的で土地や建物を無償で使用している場合
- その他、市長が特別な事情があると認めた場合
生活困窮者や災害に遭われた方に対する支援が中心ですが、空き家に関する個別の相談も窓口で受け付けている場合もあります。
ただし、具体的な条件や手続きの方法は年度ごとに変わる可能性があるため、市の公式サイトや資産税課で最新の情報を確認してみてください。
【神奈川県茅ヶ崎市】固定資産税の減免制度
茅ヶ崎市でも、一定の事情がある場合に固定資産税の負担を軽減する減免制度が設けられています。
主な対象として案内されているのは、次のようなケースです。
【減免制度の対象となる条件】
- 生活保護を受けている方
- 身体障害者手帳などを所持している方で、生活が困難と認められる場合
- 災害(火災・風水害など)により固定資産に被害を受けた場合
- 公益的な目的で土地や建物を使用している場合
減免を受けるためには、申請書の提出と必要書類の提出が必要です。
減免制度の対象となる場合は、市の担当窓口に相談した上で、必要書類などの準備を進めましょう。
【注意点2】減免は特例!他の税金対策も必須
減免制度は、期限が決められた一時的な措置として運用されています。
永遠に税金が安くなるわけではなく、解体した翌年から数年間だけ適用されるのが一般的です。
そのため、減免される期間が終了した後の負担に備えて、空き家の根本的な解決策を並行して検討しておく必要があります。
空き家の売却や貸し出しなど、減免期間中に次のステップへ動き出す準備をしておきましょう。
【注意点3】期間内でも減免が停止される事も
減免の適用期間中であっても、特定の条件に当てはまると制度が打ち切られる場合があります。
例えば、次のような状況では減免が停止される可能性もあります。
【減免が停止される可能性もあるケース】
- 固定資産の所有者が変更された場合(売却・相続など)
- 建物を解体し、更地として利用を開始した場合
- 土地を駐車場や資材置き場など別の用途で使用した場合
- 申請時と状況が変わり、減免の要件を満たさなくなった場合
- 減免制度で求められている管理・改善措置が行われなかった場合
途中で停止されると、それまで安くなっていた分の税金をさかのぼって請求されるケースもあります。
そのため、どのような行動が停止の条件に該当するのか、申請の段階で担当者によく確認しておくことが重要です。
減免申請以外の空き家の固定資産税対策まとめ

空き家の固定資産税を少しでも抑えたいと考えていても「解体するべきか、そのまま持ち続けるべきか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
減免制度を利用すれば、一時的に税負担を軽くできる場合がありますが、根本的な解決には空き家そのものの扱い方を見直すことも大切です。
ここでは、減免制度の利用とあわせて検討できる、空き家の固定資産税負担を軽くする具体的な対策を紹介します。
【対策1】賃貸物件として貸し出し収益化
空き家を修繕して入居者に貸し出すことで、毎月の家賃収入を得ることができます。
家賃収入を固定資産税や管理費の支払いにあてれば、空き家を持ち続けるための維持費の負担を抑えることが可能です。
また、人が住むことで定期的に換気や清掃が行われるため、湿気やカビの発生を防ぎやすく、建物の劣化を遅らせる効果も期待できます。
一方で、賃貸として活用するには、水回りの修繕や設備交換などの初期費用が必要になることがあります。
入居者募集や契約管理、トラブル対応などの手間も発生するため、不動産会社に管理を依頼するかどうかも含めて検討するとよいでしょう。
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【対策2】家を取り壊し更地にして土地活用
建物の劣化が激しい場合は、思い切って解体し、駐車場や資材置き場として活用する方法もあります。
ただし、更地にすると、住宅用地の特例から外れるため土地の税金は上がります。
そのため、上がった分の税金を上回るだけの収益が見込めるかどうか、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。
自治体の補助金を利用すれば解体費用の負担を軽減できる場合もあるため、まずは自治体の窓口や不動産のプロに相談してみることをおすすめします。
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【対策3】自治体の空き家バンクに登録する
自治体が運営している空き家バンクに登録して、物件の買い手や借り手を探す方法もあります。
空き家バンクとは、自治体が空き家の所有者と利用希望者をつなぐために、物件情報を公開しているマッチング制度のことです。
この空き家バンクという制度を活用することで、移住を希望する方や自分で修繕を楽しみたい方など、幅広い層に向けて物件をアピールできます。
ただし、不動産会社を通さないため仲介手数料を抑えられますが、当事者同士で直接やり取りを進める必要があります。
契約内容の確認や条件の調整などを自分で行う必要があるため、事前に手続きの流れを把握しておくことが大切です。
【対策4】仲介や買取業者に依頼し売却する
不動産会社に依頼して、空き家を売却すれば、固定資産税の支払い義務がなくなります。
不動産会社の仲介を利用する場合は、一般の購入希望者に向けて物件を販売するため、条件が合えば市場価格に近い金額で売れる可能性があります。
ただし、買い手が見つかるまでに数か月以上かかることもあるため、その間は固定資産税の支払い義務がある点に注意しましょう。
一方、買取業者に直接売却する方法は、市場価格より売却額が下がる傾向がありますが、短期間で売却できることや、契約までの手続きが比較的スムーズという点もメリットです。
このように、仲介と買取それぞれにメリットとデメリットがあるため、両方を比較しながら、自分の状況に合った方法を検討することが大切です。
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空き家の活用や売却は湘南空き家ラボにご相談ください
空き家の扱いに悩んでいる場合は、状況に合わせた活用方法を検討することが大切です。
湘南空き家ラボでは、空き家の売却や賃貸活用など、それぞれの物件に合った最適な方法をご提案しています。
建物が古い物件や荷物が残っている空き家でも、そのままの状態でご相談いただくことが可能です。
「空き家の管理が大変」「遠方で対応できない」といったお悩みがある場合も、まずはお気軽にご相談ください。
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【要注意】知らぬ間に膨らむ税金!空き家の固定資産税を放置するリスク

税金の支払いが後回しになると、取り返しのつかない事態につながる可能性があります。
状況がさらに悪化する前に、どのようなリスクが潜んでいるのか確認しておきましょう。
【リスク1】最大年利9.1%!雪だるま式に増える延滞金
固定資産税を期限までに支払わないと、税額に加えて延滞金が発生します。
延滞金の計算方法は、地方税法に基づいて全国共通のルールで定められており、滞納期間に応じて割合が変わる仕組みです。
短期間の遅れでも加算され、長期になるほど負担が大きくなります。
滞納期間 | 延滞金の割合 (例) |
|---|---|
納期限の翌日 〜1か月 | 年2.8%程度 |
1か月経過後 | 年9.1%程度 |
このように、1か月を過ぎると高い割合が適用されるため、放置すると支払額が大きく膨らむ可能性があります。
そのため、固定資産税の負担が大きくなってしまう前に支払いを済ませておくことが重要です。
【リスク2】最終的には法的手段も!督促状や催告書の発行
固定資産税を未納のまま放置していると、自治体から督促状が送付されます。
これは税金の支払いを正式に求める通知で、通常は納期限から20日以内に発送されます。
督促状が届いても支払いがない場合、自治体は電話連絡や訪問による確認、催告書と呼ばれる書類を送付するなど、段階的に徴収の手続きが進んでいきます。
催告書は、差押えなどの法的措置に進む前の、最終的な通知とされるのが一般的です。
催告書の通知後も対応がない場合は、預金口座や給与、不動産などの財産差押えが行われる可能性もあります。
早めに自治体の担当窓口へ相談することで、分割納付などの対応を検討できる場合があるため、放置せずに相談しておくことが重要です。
【リスク3】同意不要の財産調査で職場や銀行も対象に
催告書を受け取っても支払いがない場合、自治体は差押えに向けた財産調査を開始します。
これは地方税法に基づく手続きで、滞納者本人の同意がなくても実施できるのが特徴です。
具体的には、次のような資産が調査対象になります。
【調査の対象となるもの】
- 銀行口座の残高や取引状況
- 勤務先への給与照会
- 不動産や自動車などの所有財産
- 生命保険や有価証券
自治体は金融機関や勤務先などに照会を行い、差押えが可能な財産を確認します。
給与や預金が対象になるケースもあるため、職場や周囲に滞納の事実が知られてしまう可能性もあります。
こうした事態を避けるためにも、督促状や催告書が届いた段階で早めに自治体に相談しておきましょう。
【リスク4】給与や不動産の差し押さえの可能性も
財産調査の結果、滞納の解消が見込めない場合は、自治体から「差押予告書」が送付されます。
差押予告書とは、税金の滞納が続いた場合に財産の差押えを実行する可能性があることを事前に知らせる通知書のことです。
この通知書に基づき、指定された期限までに納付や相談がない場合、預金や給与、不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。
差押えの対象となる主な財産は、次のとおりです。
【差押えの対象となる主な財産】
- 銀行口座の預金
- 勤務先から支払われる給与
- 自動車や有価証券などの資産
- 土地や建物などの不動産
差し押さえられた預金や給与の一部は、滞納している税金の支払いにあてられます。
滞納額が大きい場合は、空き家などの不動産が公売(強制的な売却)にかけられる可能性もあります。
ここまで手続きが進むと財産を守ることが難しくなるため、固定資産税の滞納は長期間放置しないよう注意しましょう。
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