「シロアリが出た家って、売れるの?」そう思っている方へ。
結論からいうと、シロアリ被害のある家でも売却はできます。
ただし、方法を知らずに動いてしまうと、相場より安値での売却や、引き渡し後のトラブルを招く恐れがあります。
本記事では、シロアリ被害物件の売却方法・かかる費用・法的なリスクまでをわかりやすくまとめています。
どう動けばいいか迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
売却前に知っておきたいシロアリ被害の基礎知識

売却の進め方次第で、手元に残る金額や、スムーズに売却できるかどうかが変わってきます。
まずは基本となるポイントから確認していきましょう。
シロアリ被害があっても売却はできる
シロアリ被害がある事実を隠さずに伝えれば、法的なトラブルにならずに売却できます。
「シロアリ被害があると売れない」と思い込んでいる方もいますが、それは誤解です。
リノベーション前提で安い物件を探している人や、古民家を再生したい人が一定数いるからです。
ただし、方法を知らないまま売り出しても、値下げを繰り返すだけで時間と労力を消耗してしまいます。
被害があっても売却できます。だからこそ、正しい方法を知った上で動きましょう。
関連記事:空き家売却で失敗しないための注意点|費用・放置リスク・回避方法まで解説
シロアリ発生のサインと被害の調べ方
シロアリの被害は、日常の中でいくつかのサインとして現れます。
春先に窓や玄関まわりで羽アリが大量に飛んでいたら要注意です。
床を歩いたときにギシギシときしむ音がする、踏み込んだときに沈む感覚がある、といった変化も見逃せないポイントです。
目視で確認できる場所としては、基礎のコンクリート部分に「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる泥でできた通路が作られていないか確認しましょう。
これはシロアリが移動するために作る通路で、見つかった場合は被害が進んでいるサインです。
床下収納の周辺や柱の根元に木くずが落ちていないかも合わせてチェックしてみてください。
ただし、シロアリは木材の内部を食い進んでいくため、外見上は問題なく見えても内部では深刻な被害が進んでいる場合があります。
自分で確認できる範囲には限界があるため、少しでも気になる点があれば専門業者による床下点検を受けておきましょう。
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シロアリ被害に遭いやすい家の3つの特徴
1.床下の湿気
風通しが悪く湿気が溜まりやすい構造の家は、シロアリが住み着きやすくなります。
築年数の古い木造家屋や、床下換気口が少ない家は特に注意が必要です。
2.雨漏りや水漏れの放置
木材が水分を含んで腐食が進むと、シロアリが繁殖しやすくなります。
「少し雨漏りしているだけ」と軽視していると、気づかないうちに被害が広がっている場合があるので要注意です。
3.庭や家の周辺の環境
放置された廃木材や段ボールはシロアリの食料になりやすく、そこから家へ被害が広がっていきます。
売却前に周辺環境も含めて確認しておきましょう。
シロアリの駆除方法と再発防止のポイント
シロアリの駆除は、被害の範囲によって方法が変わります。
被害が軽微な場合
市販のシロアリ駆除剤(スプレータイプや毒餌タイプ)で自分で対処できる場合もあります。
ただし、壁の内部や床下の奥深くまで被害が広がっている場合は効果が限られており、表面だけ対処してもシロアリが再発しやすくなります。
被害が広範囲にわたる場合
専門業者に依頼するのが確実です。
主な工法としては、薬剤を床下に散布する「バリア工法」と、毒入りの餌をシロアリの通り道に置く「ベイト工法」の2種類があります。
費用の目安はどちらも15〜30万円程度で、被害の広さや建物の構造によって変わってきます。
駆除後の再発防止
自分で対処した場合でも、専門業者に依頼した場合でも、駆除後の再発防止も忘れずに行いましょう。
床下の湿気対策(防湿シートの設置や換気改善など)を行い、5年を目安に定期点検を続けておくと安心です。
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なぜシロアリ被害の家は売れにくい?3つの理由

シロアリは木材を内側から食い荒らすため、外見上は問題がないように見えても、建物の耐久性や耐震性が著しく低下している場合があります。
被害は資産価値を下げるだけでなく、買い手の購入意欲にも直接影響します。
以下の3つの理由から、一般的な物件よりも売却のハードルは上がります。
だからこそ、早めに対策を立てることが重要です。
1.耐久性・耐震性が低下し建物の資産価値が下がる
シロアリによる構造へのダメージは、売却価格の低下に直結します。
柱や土台などの重要な骨組みが被害に遭うと、建物を支える強度が落ちて倒壊リスクが高まるからです。
不安を感じた買い手から値引きを求められるケースが多く、希望価格での売却は難しくなるでしょう。
2011年の東日本大震災以降、耐震性への意識は高まっており、構造上の不安は買い手が敬遠する理由の1つです。
被害が深刻な場合、修繕費が資産価値を上回り、建物が価値ゼロとみなされ、土地のみの価格での売却を余儀なくされるケースも出てきます。
だからこそ、被害が軽微なうちに動き出しましょう。
2.修繕に費用がいくらかかるか分かりづらい
買い手にとって「結局、総額でいくらかかるのか分からない」という資金面の不透明さは、購入をためらう大きな理由になります。
これは主に、次の2つの点から修繕費の見通しが立てにくいためです。
購入前:正確な見積もりが難しい
シロアリ被害は壁や床の内部で進行することが多く、内見や表面的な調査だけでは、修繕費を正確に把握するのが難しいのが実情です。
購入後:想定外の追加費用が発生するリスク
リフォームの際に床や壁を開けてみて初めて、柱や土台にまで被害が及んでいることが判明するケースもあります。
その場合、大規模な木材交換が必要となり、当初の予算を大きく上回ることもあります。
このように予算オーバーのリスクがあるため、資金計画を立てにくい物件は敬遠されてしまいます。
仮に検討されても、最悪のケース(高額な追加修繕)を見越して、大幅な値引きを求められることが多くなります。
3.住宅ローン審査が通りにくく現金購入となるケースが多い
金融機関は耐久性や担保価値を重視するため、構造に不安のある物件は融資を受けにくく、現金購入者に限られることが多いです。
買い手が限られると価格交渉でも不利になりやすく、大幅な値引きを求められるケースも出てきます。
価格設定と売却方法の両方を慎重に検討しましょう。
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シロアリ被害のある家を売却する4つの方法

どの方法を選ぶかで、手間・費用・売却期間が大きく変わります。
1.現状のまま「古家付き土地」として売却する
【費用をかけずに早く手放したい方向け】
修繕せず、建物の価値をゼロとして「古家付き土地」で売り出す方法です。
売り主側は修繕費や解体費を負担する必要がなく、そのまま売り出せるのが魅力です。
ただし、買い手が将来的に解体する費用を負担するため、周辺の土地相場より低い価格設定が必要です。
古家付き条件が買い手を限定し、売却までに時間がかかるケースもあります。
エリアによっては需要がある場合もあるため、地域の不動産会社と相談しながら価格設定を決めるのがよいでしょう。
関連記事:空き家の売却方法5選|手続きの流れ・税金控除の活用術・注意点も解説
2.駆除・修繕してから「中古住宅」として売却する
【できるだけ高く売りたい方向け】
駆除・修繕を行ってから売り出すと、通常の相場に近い価格での売却が期待できます。
住宅ローンを使える買い手にも対応できるため、幅広い層にアプローチでき、成約につながる点が強みです。
ただし、駆除・修繕に数十万円以上の費用がかかる場合があり、売却益で回収できないケースもあります。
修繕に踏み切る前に、不動産会社に査定を依頼して「この修繕は売却価格に反映されるか」を確認しておきましょう。
修繕コストを回収できるか、事前に確かめてから動くのが賢明です。
関連記事:空き家リフォームの活用法から補助金を利用した費用の抑え方まで解説!
3.解体して「更地」にしてから売却する
【建物の状態がネックで話が進まない方向け】
シロアリ被害のある古家を撤去した更地は、買い手に好印象を与え条件が揃えば早期売却も可能です。
一方で、解体費用(木造住宅の場合で数十万〜数百万円程度)を売り主が実費で負担しなければなりません。
更地にすると固定資産税の軽減措置がなくなり、税負担が増えるケースもあるため、解体前に税金面の確認も忘れずに行っておきましょう。
関連記事:空き家を更地にするとなぜ固定資産税が高くなる?解体前に計算しておこう
4.訳あり物件専門の「買取業者」に直接売却する
【手続きを簡単に、早く現金化したい方向け】
売却後に欠陥が判明しても、売り主の責任を免除できる契約にでき、仲介手数料も不要なのでスピーディに現金化できます。
ただし、仲介で売却するよりも買取価格は低くなる傾向があり、相場の6〜8割程度になるケースが一般的です。
価格よりもスピードや手軽さを優先したい場合に検討しましょう。
関連記事:空き家は買取でラクに手放せる?メリット・業者選びのコツを解説!
売却時に後悔しないための3つの注意点

シロアリ被害のある物件を売るときは、法的なリスク・費用のリスク・税制の3点を事前に把握しておきましょう。
知らずに進めてしまうと、売却後にトラブルになったり、かけた費用を回収できなくなるケースがあります。
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1.シロアリ被害は必ず告知する(契約不適合責任に注意)
2020年の民法改正によって売り主の告知義務が明確化され、被害を知りながら隠した状態で売却した場合「契約不適合責任」を問われる場合があります。
これは売り主が隠していた欠陥について、買い手から修繕費用の請求や契約解除を求められる責任です。
告知義務を果たすには、売買契約の際に作成する「物件状況等報告書」に、シロアリ被害の有無・過去の駆除歴・修繕の内容などを正確に記載する必要があります。
「知らなかった」では通じないケースもあるため、記載内容に漏れがないよう丁寧に確認しましょう。
告知は売り主自身を守る行動でもあるため、不安な点は事前に専門家へ相談しながら進めましょう。
参考:契約不適合責任
2.修繕前の確認を怠るとかけた費用が回収できない
修繕費用は坪単価5,000〜1万円程度が一般的ですが、構造部にまで被害が広がっている場合は、想定外に膨らむリスクがあります。
修繕内容によっては売却価格に反映されず、費用を回収できない場合があります。
まず不動産会社に査定を依頼して「この修繕は売却価格に反映されるか」を確認してから着手しましょう。
修繕費をかけても価格がほとんど変わらないなら、修繕しないで売る方法を選んだ方がよい場合もあります。
相見積もりも忘れずに行いましょう。
1社だけに依頼すると適正価格の判断ができず、相場より高い費用を請求されるケースもあります。
査定の確認と相見積もりの2つを実行するだけで、かけた費用を回収できないリスクを下げられます。
3.駆除・修繕費用は確定申告で税金が安くなる場合がある
「雑損控除」とは、シロアリ被害のような害虫による損害を受けた場合に、確定申告で税負担を減らせる制度です。
適用されると所得税・住民税が軽減され、駆除・修繕にかかった費用の一部が戻ってくる可能性があります。
ただし、対象になるのは実際に被害が発生した場合の駆除・修繕費用のみで、予防のためにかけた費用は対象外です。
「予防でかけた費用も申告できる」と勘違いしないよう注意しましょう。
領収書がないと控除は受けられません。
駆除や修繕を依頼したときは必ず受け取り、確定申告まで保管しておきましょう。
また、過去に駆除を行ったものの控除を受けていなかった場合でも、税金の還付請求は5年間有効です。
売却前に駆除していた場合は、過去分も遡って確認するとよいでしょう。
参考:雑損控除(国税庁)
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シロアリ被害があっても高く売るための3つのポイント

買い手の不安軽減が、より高い売却価格につながります。
物件の価値をきちんと評価してもらえるよう、以下の3つのポイントを売り出す前に確認しておきましょう。
1.建物診断(インスペクション)で買い手の不安を取り除く
インスペクション(既存住宅診断)とは、専門の調査員が建物の状態を客観的にチェックする診断です。
被害の範囲や状態が数値や報告書として示されるため「何がどれくらい悪いのか」が明確になり、買い手は修繕費用を見込んだ上で購入を検討しやすくなります。
根拠のある状態で売り出すため、交渉がスムーズに進みます。
なお、インスペクションを受けることで中古住宅の欠陥に備える保険(既存住宅売買瑕疵保険)の加入審査につながるケースもあります。
ただし、シロアリ被害そのものは保険の対象外のケースが多いため、専門業者による保証や点検記録を組み合わせて買い手の安心感を高めましょう。
2.駆除の保証書や点検記録があると安心されやすい
過去の管理履歴を示す書類は、物件への信頼感につながります。
シロアリを防ぐための工事(防蟻工事)の保証書や領収書があれば「きちんと管理されてきた物件」と示せます。
定期点検の記録が残っている場合も、価格交渉で有利に働くケースがあります。
「何もしていない物件」より「ちゃんと管理されている物件」の方が、同じ状態でも評価されやすいものです。
シロアリを防ぐための工事の保証期間は通常5年程度です。
保証期限が切れている場合は、売却前に再施工を依頼しておきましょう。
3.被害が広がる前に売却する
シロアリ被害は、放置すればするほど売却に不利になります。
被害範囲が広がれば修繕費用も増え、売却価格の値下げ幅も大きくなるからです。
被害を把握したら、できるだけ早めに動き出しましょう。
被害が比較的軽微なうちに売り出せば、値下げの幅を小さく抑えられる可能性があります。
逆に放置して被害が拡大してからでは、交渉の余地が少なくなり、買い手側に有利な条件での取引を余儀なくされるケースもあります。
売れ残るほど固定資産税や管理費などの維持費が積み重なり、手元に残る金額が減っていきます。
早めに動くほど、手元に残る金額を守りやすくなります。
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